2016 年 22 巻 2 号 p. 130-132
脾摘除後の患者に発生した重症感染症は脾摘後重症感染症overwhelming postsplenectomy infection(OPSI)として知られており,起炎菌としては肺炎球菌を中心とした莢膜保有菌である.現在,脾摘後の患者に対する肺炎球菌ワクチンの投与は,かなり認知されてきているが,脾機能低下症例や部分的脾動脈塞栓術(PSE)症例で末梢血にHowell-Jolly bodyの出現した症例は脾機能低下からOPSIになる危険性があり,脾摘除と同様のOPSIに対する対応をすべきである.