2016 年 22 巻 2 号 p. 172-175
経皮経肝的門脈アプローチを要する手技終了後には肝穿刺経路塞栓が必要となる.通常,ゼラチンスポンジや金属コイルを使用して塞栓するが,X線透視上,門脈,肝実質,肝外の境界が分かりづらく,塞栓物質の門脈内誤注入・誤留置の危険性がある.今回,我々はvascular closure deviceを用いた肝穿刺経路塞栓を試みた.経皮経肝的静脈瘤塞栓術後の3例,経皮経肝的門脈塞栓術後の2例,経皮経肝的門脈ステント留置術後の1例に対して本法を施行し,全例でCordis社製Exoseal®を用いたが,合併症なく塞栓することができた.本法は肝穿刺経路塞栓の一つの選択肢になりうると考えられた.