日本門脈圧亢進症学会雑誌
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臨床研究
門脈-大循環短絡路閉鎖後の長期血行動態変化と予後
林 星舟今村 潤木村 公則
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2017 年 23 巻 1 号 p. 50-58

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抄録

短絡路閉鎖後に長期的に生じる門脈血行動態の変化に着目した臨床研究は食道静脈瘤を除き少ない.胃(脾)腎短絡路などの下行性側副血行路に対して外科的短絡路閉鎖術を行った13例(手術群),B-RTOを施行した111例(B-RTO群)を対象に治療後門脈血行動態の長期的変化について後方視的に検討した.1)手術群では治療前に23%で治療対象以外の側副血行路を認め,治療後経過観察中に46%で新たな側副血行路が出現した.B-RTO群では治療前に54%で治療対象以外の側副血行路を認め,治療後経過観察中に57%で新たな側副血行路が出現した.2)観察終了時点で画像上側副血行路を認めなかったのは手術群の54%,B-RTO群の16%であった.3)累積生存率(5年/10年)は手術群で91.7%/40.1%,B-RTO群で60.6%/36.3%であり,HCC合併,手術群,女性,Child-Pugh grade Aの4因子が生命予後に寄与する独立因子であった.下行性側副血行路に対する短絡路閉鎖治療後には多くの症例で新たな側副血行路が形成されたが,一部症例では側副血行路の形成なく経過し,その頻度は手術群で有意に高い結果であった.

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© 2017 日本門脈圧亢進症学会
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