2017 年 23 巻 1 号 p. 59-62
【目的】食道静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法・結紮術同時併用療法(endoscopic injection sclerotherapy with ligation:EISL)は,EIS後の穿刺部を結紮することで抜針後に圧迫止血が不要となり,硬化剤の停滞を良好にできると考えられる.EISLの有用性を検討するため,EISと治療結果を比較した.
【対象・方法】EISの穿刺部にEVLを施行したEISL群13例を対象とし,EISの穿刺部をバルーンで圧迫したEIS群13例と比較した.【結果】治療回数,硬化剤使用量,鎮静剤使用量は有意差を認めなかった.治療時間はEISL群で有意に短く(p=0.0087),硬化剤停滞時間はEISL群で有意に長かった(p=0.0226).偶発症は両群とも認めなかった.【結論】EISLはEISと比較して治療時間が短く,硬化剤の血管内への停滞を良好にする効果が期待でき,有用な治療法である.