2017 年 23 巻 2 号 p. 178-185
72歳,男性.2012年4月広範囲胆管癌に対して,左肝切除+膵頭十二指腸切除(PD)+Child変法再建施行.広範囲胆管癌(BmspiC)で右肝管断端に癌細胞を認め断端陽性であったため,同年6~8月放射線治療施行.上部消化管内視鏡検査にて,2012年5月には食道静脈瘤(EV)を認めなかったが,2013年5月にはEV(LiF1CbRC0)を認め,2015年6月にはEV(LmF3CbRC1)と増悪.同年8月肝生検施行しNASH(Brunt分類stage3, Matteoni分類Type4)と診断された.同年10月内視鏡的食道静脈瘤硬化療法施行.施行後,一時的にFlappingを認めた.PD後吻合部および挙上腸管の静脈瘤出血の報告は散見されるが,食道静脈瘤発生例は非常に稀である.本症例が肝切除を併施していることおよびPD後にNASHを合併したことが,複合的に食道静脈瘤の発生に影響したと考えられた.