日本門脈圧亢進症学会雑誌
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症例報告
B型肝硬変・肝細胞癌に対する生体肝移植後,門脈側副血行路の長期経過を10年以上にわたり評価可能であった2症例
鈴木 浩之斎藤 聡藤山 俊一郎鈴木 義之熊田 博光
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2018 年 24 巻 4 号 p. 237-241

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抄録

門脈圧亢進症治療における肝移植は,門脈圧亢進症の原因となる肝硬変の根治可能な外科的治療法だが,生体肝移植後に合併していた門脈圧亢進症および門脈側副血行路の長期的な予後は明らかではない.2症例はともに50歳代男性.2004年に右葉グラフトを用いた生体肝移植を施行された.移植後14年時点における腹部超音波検査では門脈血流は求肝性の定状流であり,超音波エラストグラフィによる肝硬度測定では5~6 kPaで推移し,MR Laparoscopyで肝表面は平滑であった.上記より移植肝は肝硬変に至ることなく,さらに門脈圧亢進症も改善していると判断した.しかしMR Portographyでは移植後14年時点までの経過で,門脈側副血行路径ならびに脾臓径は縮小することなく残存しており,生体肝移植により門脈圧亢進症は改善するものの,一度拡張した側副血行路径および脾腫は長期的に残存しうることが示唆された.

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© 2018 日本門脈圧亢進症学会
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