日本門脈圧亢進症学会雑誌
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症例報告
多発性肝嚢胞症による胃静脈瘤出血に対する緊急ハイブリッドアプローチ
近森 文夫
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2020 年 26 巻 4 号 p. 255-262

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抄録

症例は68歳女性.吐血し入院.内視鏡で噴門部にフィブリン栓で一時止血された胃静脈瘤(GV)を認めた.造影CTでは,脾臓体積372 ml,肝臓実質体積1873 ml(嚢胞を含めた肝臓全体積は4226 ml),脾臓/肝臓実質体積比(S/L ratio)0.2と脾腫・多発性肝腎嚢胞,GV,胃腎・胃横隔静脈シャントを認めた.血管造影室においてNBCAを用いた内視鏡的硬化療法(EIS)・部分的脾動脈塞栓術(PSE)を連続して施行する緊急ハイブリッド治療を選択した.EIS・PSE後3D-CTでは,GV内のNBCA貯留と,シャント血管の残存が描出された.全身状態回復後待機的に経頸静脈的逆行性塞栓術(TJO)を施行した.TJO後3D-CTでGV内のNBCAの貯留とシャント血管の閉塞が確認された.多発性肝嚢胞症を原疾患とするGV出血に対して緊急ハイブリッドアプローチは止血を確固たるものとする上で有用と思われた.

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© 2020 日本門脈圧亢進症学会
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