2021 年 27 巻 1 号 p. 34-40
【目的】慢性肝疾患患者において,サルコペニアとたんぱく質摂取量の関連を分析し,栄養学的介入の課題を明らかにする.【方法】慢性肝疾患患者122例のサルコペニア群と非サルコペニア群において,推奨されるたんぱく質摂取量の達成割合を比較検討した.また,たんぱく質摂取量と握力及び筋肉量との相関関係について検討を行った.【結果】サルコペニア群37例,非サルコペニア群85例.たんぱく質摂取量は,サルコペニア群47.4±13.0 g/日,非サルコペニア群54.4±16.2 g/日でサルコペニア群の方が少なかった(p=0.0103).たんぱく推奨量達成例は,サルコペニア群10例(27.0%),非サルコペニア群40例(47.1%)で,推奨量達成率はサルコペニア群で低かった(p=0.0386).【結論】サルコペニア合併慢性肝疾患患者では,たんぱく質摂取量が少なく,推奨量を達成する栄養学的介入が必要と考えられた.