日本門脈圧亢進症学会雑誌
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原著
シャント型肝性脳症に対するバルーン閉塞下逆行性静脈塞栓術における効果予測の検討
松井 哲平永井 英成天沼 誠吉峰 尚幸小林 康次郎荻野 悠向津 隆規松清 靖和久井 紀貴中野 茂五十嵐 良典
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2021 年 27 巻 1 号 p. 41-49

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抄録

近年,シャント脳症に対するバルーン閉塞下逆行性静脈塞栓術(BRTO)の有用性が多く報告されているが,一方でBRTOの不応例も存在している.本検討ではシャント脳症に対するBRTO有効/無効例の特徴を明らかにすることを目的とした.シャント脳症に対してBRTOを施行した19例を対象とし,BRTO術後12週未満にII度以上の顕性脳症を発症した群を無効群(n=6),術後12週以上でII度以上の顕性脳症の発症がなかった群を有効群(n=13)としてBRTO前後のChild-Pugh score(CPS),血清アンモニア値(NH3),肝静脈圧格差(HVPG)および骨格筋の指標となるSkeletal muscle index(SMI)を検討した.無効群では有効群に比し有意にBRTO前のHVPGは高値であり(19.0±5.5 mmHg vs 11.2±3.9 mmHg),SMIは有意に低値であった(46.0±9.0 cm2/m2 vs 35.9±5.0 cm2/m2).また施行前HVPGが12 mmHg以上の症例においては,有意差は認められなかったが再発率は高い傾向を認めた.HVPGを用いた治療効果予測の診断能はAUROC0.91(95%CI=0.77-1.04, p<0.001)と良好であり,SMIを用いた診断能はAUROC0.84(95%CI=0.65-1.03, p<0.001)と良好であった.以上より,HVPGおよびSMIはシャント脳症に対するBRTOの効果予測因子になりえると考えられた.

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© 2021 日本門脈圧亢進症学会
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