日本門脈圧亢進症学会雑誌
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原著
食道静脈瘤に対する内視鏡的硬化結紮法による単独治療施行症例の検討
永島 一憲入澤 篤志高木 優花小島原 駿介久野木 康人福士 耕阿部 圭一朗金森 瑛井澤 直哉山部 茜子土田 幸平飯島 誠菅谷 仁
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2021 年 27 巻 1 号 p. 50-57

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抄録

食道静脈瘤に対しEISL単独治療が施行された103例を対象に,内視鏡的硬化結紮法(EISL)単独治療の予後に関する検討を行った.評価項目は,Red Color Sign(RC)再発率,F2以上の形態再発率,出血再発率,再発の関連因子,偶発症,入院期間,とした.65歳以上の高齢者と65歳未満の非高齢者に分けた検討も行った.RC再発率は62%,F2以上の形態再発率は26%,出血再発は19.2%であった.RC再発因子は治療前のRC陽性,形態再発因子は女性,出血再発因子は女性・形態再発・RC再発であった.重篤な偶発症は認めず,平均入院日数は16.3日(±6),いずれの検討も高齢者と非高齢者で差は認めなかった.EISL単独治療は,再発率が高く非再発維持期間も短いが,高齢者でも安全に治療でき,処置回数の低減に貢献していた.また,再発因子の検討から,RC陰性例に対して考慮できる治療法と考えられた.

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© 2021 日本門脈圧亢進症学会
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