日本門脈圧亢進症学会雑誌
Online ISSN : 2186-6376
Print ISSN : 1344-8447
ISSN-L : 1344-8447
臨床研究
EIS術前評価における医療用潤滑ゼリー充填によるEUSの有用性
木下 幾晴木下 真樹子
著者情報
ジャーナル 認証あり

2021 年 27 巻 1 号 p. 58-63

詳細
抄録

食道静脈瘤に対する内視鏡的治療,特に血管内注入によるEIS(intra-EIS)においては良好なEVISを得ることが重要である.貫通静脈(Pv)の存在を術前に把握することで,治療難渋例の予測につながるが,その存在診断は従来より食道内の脱気水充満(注水法)による細径プローブEUS(UMP-EUS)によって行われてきた.我々は脱気水の代わりに医療用潤滑ゼリーを観察範囲に充填する方法(ゼリー法)を考案した.ゼリー法の利点は観察範囲にゼリーが長くとどまることで,観察条件が安定し術者が手技に集中できることである.このため注水法に比しF1のような小さな静脈瘤でもPvの指摘率が向上した.簡便に行えるゼリー法は食道静脈瘤治療術前診断のためのUMP-EUS手技として有用であると考える.

著者関連情報
© 2021 日本門脈圧亢進症学会
前の記事 次の記事
feedback
Top