2025 年 31 巻 2 号 p. 147-153
【背景】部分的脾動脈塞栓術(PSE)ではさまざまな塞栓物質が用いられるが,施設ごとに使用法が異なる.当院では2021年9月より細片化法に加えてtorpedo法を導入した.torpedo法の影響は十分に検討されていない.本研究の目的は,両方法の周術期経過を比較し特性を探ることである.【対象】当院でPSEを施行した18例(torpedo法11例,細片化法7例).【方法】手術時間および周術期の血液検査値を比較した.【結果】torpedo法は細片化法に比べ手術時間が短縮できる可能性が考えられた.術後1日目ではWBC,CRPに有意差はなかったが,術後1週間でのCRPはtorpedo群の方が有意に高かった.一方,発熱や疼痛には差を認なかった.【考察】torpedo法は比較的根部での塞栓が可能で,手術時間の短縮につながる可能性がある.【結語】torpedo法はPSEにおいて手術時間の短縮に有用と考えられる.