【背景】ALBI scoreと肝切除率を組み合わせて肝切除後重症肝不全(PHLF)を予測するheatmapを開発し,有用性を検討した.【方法】当院で肝切除を受けた原発性肝癌患者524例を対象とした.肝切除率を(切除検体容積─腫瘍容積)/全機能的肝容積×100とした.PHLFをISGLS Grade B/Cとし,ALBI scoreと肝切除率でheatmapを作成した.【結果】56例が重症PHLFを発症した.多変量解析では,ALBI scoreと肝切除率がPHLFの独立寄与因子となった.Heatmapは幕内基準より切除適応を13%増加した.Heatmapの陽性適中率は幕内基準と同等であったが(90.9% vs 93.4%),陰性的中率はheatmapで高値であった(58.8% vs 32.9%).【結論】本heatmapは,手術適応や術前肝予備能に基づく術式の決定に有用であると考えられた.