2025 年 31 巻 2 号 p. 167-173
症例はC型肝硬変に伴う難治性腹水に対してTIPS(経頚静脈的肝内門脈大循環短絡術)を施行した70代女性(Child-Pugh9B,MELDスコア7点,肝性脳症の既往なし).TIPSは8 mm径自己拡張型ベアステント(SMART)を留置した.術後内科的治療抵抗性肝性脳症に陥ったため,術後21日目にシャント縮小術を施行.TIPS経路内にバルーン拡張型ステントグラフト(Viabahn VBX)を進め,中心部は5 mm径,両端は8 mm径の砂時計型に留置することによってシャント縮小術を完遂した.しかし,依然脳症の改善が得られず,術後40日目に2回目のシャント縮小術を施行し,同様の方法で4.5 mm径とした.その後も肝性昏睡に陥ったため,やむなく術後44日目に,プラグを用いたシャント閉鎖術を施行した.シャント縮小術後も脳症改善に至らないこともあり,シャント閉鎖術の必要性も含めて注意深く経過をみる必要がある.