2026 年 32 巻 1 号 p. 62-67
症例は5年前にLmF2CbRC1の静脈瘤に対し内視鏡的静脈瘤硬化療法(EIS)を行ったが,その後外来受診を自己中断していた60代女性のアルコール性肝硬変患者である.5年ぶりに吐血を主訴に来院し,内視鏡的静脈瘤結紮療法(EVL)とEISを施行後,アルゴンプラズマ凝固療法(APC)による地固め療法を行ったが食道狭窄を来した.内視鏡的バルーン拡張術(EBD)を2回とステロイド局注併用EBDを1回行ったが十分な拡張が得られなかった.アルコール関連認知障害の悪化によりEBDの継続が困難となったため,フルカバータイプの自己拡張型金属ステント(fully covered self-expandable metal stent:FCSEMS)を留置した.1週間後に胃内にステントが逸脱したが,狭窄部は十分拡張され,逸脱したステントは経口的に回収可能であった.その後も再狭窄なく経過している.