日本門脈圧亢進症食道静脈瘤学会雑誌
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食道胃静脈瘤の血行動態の評価と治療法の選択
土橋 康之中村 宏河野 辰幸井上 晴洋五関 謹秀竹下 公矢遠藤 光夫
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1997 年 3 巻 2 号 p. 189-192

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抄録
食道胃静脈瘤は, 外科的, 内視鏡的, 放射線科的とさまざまな治療法を認めるも, それぞれ一長一短があり, 画一的に治療するには, 問題が多く, 限界がある.このため, 門脈圧亢進症側副血行路を十分に検討し, 症例に応じた治療法を選択することは合理的と考える.おもに超音波内視鏡にて門脈圧亢進症側副血行路と消化管の壁構造を十分に検討した.その結果, 胃静脈瘤を形成し, これと連続し食道静脈瘤となる食道・胃静脈瘤型, 胃には静脈瘤を認めず食道のみに静脈瘤を認める食道静脈瘤型, 食道には静脈瘤を認めない, あるいは連続性のない孤立性胃静脈瘤型の3型に分類し治療法を選択した.高度の食道胃静脈瘤には外科治療, 中等度以下の食道胃静脈瘤には内視鏡的食道静脈瘤硬化療法, 食道静脈瘤には, EISあるいは内視鏡的静脈瘤結紮術, シャントのある孤立性胃静脈瘤には, バルーン下逆行性経静脈的塞栓術あるいは外科治療, シャントのない孤立性胃静脈瘤には, EISあるいは外科治療を選択して良好な治療成績を得ている.
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© 日本門脈圧亢進症学会
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