日本門脈圧亢進症食道静脈瘤学会雑誌
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経口糖負荷試験からみた肝硬変における門脈循環亢進状態の検討
梅原 敬司松谷 正一中野 陽子三橋 修鈴木 利也佐藤 悟郎丸山 紀史税所 宏光
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1998 年 4 巻 3 号 p. 271-274

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抄録
経口糖負荷時の門脈血流の変化からみた肝硬変での門脈循環亢進状態について, 肝硬変28例および非肝疾患9例を対象に超音波ドプラ法を用いて検討した. (1) 空腹時において, 肝硬変は非肝疾患と比べて脾静脈および上腸間膜静脈の血流量は増加していたが, 門脈幹血流量は差がみられなかった. (2) 糖負荷後において, 肝硬変は非肝疾患と比べて脾静脈, 上腸間膜静脈, 門脈幹における血流の変化率に乏しかった. (3) 糖負荷後の肝硬変での門脈幹と左胃静脈の血流量の変化率には負の相関関係が生じた.以上より肝硬変では脾臓や腸管における循環亢進状態がみられるが, 食事摂取による生理的な反応性循環亢進の低下が示唆された.
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© 日本門脈圧亢進症学会
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