日本門脈圧亢進症食道静脈瘤学会雑誌
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門脈圧亢進症下での肝内胆管周囲毛細血管叢 (PBP) とその周囲に分布する肥満細胞の意義
小林 聡中沼 安二松井 修山城 正司高島 力
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1998 年 4 巻 3 号 p. 290-293

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抄録
胆管周囲毛細血管叢 (PBP) は肝内胆管周囲に分布する内層・外層からなる2層性の血管叢である.正常肝と肝硬変肝でPBP像を比較し, さらにPBP周囲の肥満細胞の観察を行った. PBPの観察は正常剖検肝15例, 肝硬変肝12例を対象にパラフィン包埋切片にUEA-1染色を行いPBPの状態をスコア化して行った.肝硬変では, 正常肝に比べ内層・外層ともPBPが増加し, また著明な拡張を認めた.また, 正常剖検肝9例, 肝硬変肝10例を対象に, 肥満細胞に特徴的な中性蛋白分解酵素の一つであるトリプターゼの免疫染色を行い, グリソン鞘内の肥満細胞の分布を観察した.正常肝, 肝硬変ともPBP周囲に肥満細胞が豊富に分布し, 血管作動性物質であるヒスタミンが陽性であった.門亢症を有する肝硬変肝でPBPは肝内末梢の門脈血流減少を代償する側副血行路の役割を果たし, これらの血管の調節に肥満細胞が関与している可能性が示唆された.
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