抄録
われわれはこれまで巨大結紮器と連発式結紮器による内視鏡的結紮術を孤立性胃静脈瘤を中心に施行してきたが, 腫瘤状の大きいものに施行困難であったので, さらに大きな超巨大結紮器を開発した.これら改良型結紮器による孤立性胃静脈瘤に対する結紮術の治療結果は, 24例について全例胃静脈瘤は1~2回の施行で消失した.累積再発率は1年0%, 3年43%, 5年43%で, 治療後の出血死は1例に認められたが, 高度の肝機能障害例であった.合併症としては結紮静脈瘤出血例3例 (死亡1例), 結紮静脈瘤周囲粘膜出血死亡例1例, 肝不全死亡例1例が認められたが, 死亡例3例はいずれも初期治療例で, 高度の肝機能障害例であった.遠隔死因では肝不全が主要なものであった.また, 術前に胃腎静脈シャントが認められた症例では術後も開存していた.以上より, 改良型結紮器による結紮術は高度肝機能障害例に注意すれば, 孤立性胃静脈瘤に対する治療法として有用であると考えられた.