日本門脈圧亢進症学会雑誌
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原発性肺高血圧症に併存した肝硬変の一剖検例について
中島 敏郎鹿毛 政義
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2000 年 6 巻 1 号 p. 51-54

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抄録
発症後13年目に呼吸困難増強し, 胃静脈瘤の破綻による吐血, 下血を繰り返し, 死の転機を取った46歳女性の原発性肺高血圧症に肝硬変を併存した症例で, 剖検により, 肝臓の門脈域, 肝静脈域のいずれにも肝内異常血行路cavernous transformationが観察され, 肝内門脈, 肝静脈における高度の循環障害が示唆されたきわめて稀な症例である.剖検時, 肝動脈, 肝内門脈枝に造影剤を注入し, X線像, ならびに組織像で, 一般的肝硬変 (肝炎性肝硬変) と異なった血管構築を示しているため, 非定型肝硬変と診断したが, 原発性肺高血圧症との相互関係を関連文献を参考にして検討した.
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© 日本門脈圧亢進症学会
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