日本小児血液・がん学会雑誌
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シンポジウム4: 血友病の診療の進歩と今後の課題
小児血友病インヒビター治療の現状と将来の展望
野上 恵嗣
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2015 年 52 巻 3 号 p. 243-248

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抄録
血友病AおよびBは,血液凝固第VIII因子(FVIII)および第IX因子(FIX)の遺伝子異常に基づく先天性凝固障害性の出血性疾患である.当該因子製剤を出血時あるいは定期的に補充することにより,血友病患者のQOLは飛躍的に向上してきた.一方,補充療法に伴い,重症血友病Aの20–30%,血友病Bの3–5%に抗FVIIIまたは抗FIX同種抗体(インヒビター)が出現する.一旦インヒビターが出現すると,既存の止血治療を極めて不安定かつ困難にさせる.さらに医療経済的な側面からも血友病治療の現在の大きな課題となっている.インヒビター保有患者の止血治療戦略として,1)インヒビター発生要因を解明して出現を防ぐこと,2)インヒビター消失を図ること,3)有効な止血ならびに予防治療を確立することである.最近の血友病に関する基礎ならびに臨床研究の発展は著しく,本稿ではインヒビター治療の現状と将来の展望について概説する.
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© 2015 日本小児血液・がん学会
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