2019 年 56 巻 2 号 p. 107-112
PHIT試験は小児肝がんに対する初の国際共同臨床試験である.PHIT試験の外科療法ガイドラインはPRETEXTに基づいており,①超低リスク群と低リスク群の肝芽腫(HB)では至適なタイミングで手術を行いかつ化学療法を減らすこと,②高リスク群・転移性腫瘍については,地固め化学療法中により積極的な外科切除を行うことを目指した推奨治療を示している.さらに切除困難例については,非定型的高度肝切除や肝移植に習熟した施設へ早期に紹介することの重要性を強調している.難易度の高い肝切除についてリアルタイム外科コンサルテーションが受けられる体制を整え,定められたタイミングで適切な手術が行われているかを評価する.また診断時一期的切除は,PRETEXT IまたはIIの腫瘍のうち画像上中肝静脈からの距離が1 cm以上あるものについて施設の裁量で考慮する.本試験では腫瘍破裂や腹部コンパートメント症候群により血行動態的に不安定な場合を除き,試験登録に際して腫瘍組織を得ることが求められる.外科的レビュー研究として,POST-TEXT IIIおよびIV HBの外科的治療の評価研究を行い,得られたデータは難治性腫瘍に対する最適な外科的アプローチを評価するための基礎データとなる.本試験によってもたらされる成果はHB/肝細胞癌患児の予後改善に多大なる恩恵をもたらすことが期待される.