日本小児血液・がん学会雑誌
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シンポジウム5: 血友病の現状と今後の治療選択
歩み始めた我が国の血友病診療連携
白幡 聡
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2019 年 56 巻 3 号 p. 287-292

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抄録

血友病AとBは人口1万人あたり1~5人発症する遺伝性出血性疾患である.我が国では約6000名の患者が1000前後の施設に分散し,血液凝固因子製剤による治療を受けている.血液凝固因子製剤の近年の進歩は目覚ましいものがあるが,患者が多くの施設に分散している結果,製剤の適正使用に関して大きな較差がある.止血管理に加えて,血友病性関節症など様々なハンデイキャップを抱える血友病患者には包括医療の提供が必要であるが,血友病センター以外では包括医療の提供は難しい.そこで日本血栓止血学会では,血友病診療連携委員会を設置した.血友病診療連携委員会は,ブロック拠点病院,地域中核病院,そのほかの診療施設に分類される.ブロック拠点病院は,地域中核病院およびそのほかの診療施設と連携して,包括的個別的ケアを提供していく予定である.

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© 2019 日本小児血液・がん学会
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