日本小児血液・がん学会雑誌
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教育セッション2: 放射線治療
小児腫瘍に対する放射線治療
水本 斉志大城 佳子櫻井 英幸
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2019 年 56 巻 3 号 p. 311-318

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抄録

悪性腫瘍の治療において,放射線治療は手術,化学療法と並び重要な役割を担う.特に小児領域では放射線に対する感受性が高い腫瘍が多く,集学的治療のなかで果たす役割は大きい.しかしながら,成長過程にある小児は細胞分裂が盛んであり,正常細胞も放射線に対する感受性が高く,有害事象に注意を要する.そして,成長発達障害や二次がん等,小児特有の有害事象も考慮する必要がある.そして,恐怖感を与えることなく円滑に放射線治療を遂行するために多職種の連携が必要になる.筑波大学附属病院では1980年代から小児腫瘍に対する陽子線治療に取り組んできた.その経験を踏まえて小児腫瘍に対する放射線治療について解説する.

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© 2019 日本小児血液・がん学会
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