2019 年 56 巻 3 号 p. 343-347
急性巨核芽球性白血病(AMKL)は新生児発生例が多く,原因遺伝子変異により予後に差があることが判明している.症例は日齢0の女児.血小板減少を主訴に紹介となった.身体所見に外表奇形はないものの著明な肝脾腫を認めた.血液検査では播種性血管内凝固症候群を呈していた.感染症が原因と考え抗生剤および対症療法を開始した.末梢血中に芽球を2.7%認め,徐々に増加し日齢5には11%まで上昇したため骨髄検査を行った.細胞表面抗原検索から一過性骨髄異常増殖症(TAM)またはAMKLを疑った.その後対症療法のみで芽球は2%まで減少したため,非Down症候群に発生したTAMと考えた.しかし末梢血染色体検査でt(1;22)(p13;q13)が検出され,AMKLと確定診断し治療を開始した.芽球が自然に減少するTAMに類似した経過であり,診断に苦慮した.Polymerase chain reaction法による遺伝子変異の速やかな検索が簡便に利用できるようになることが期待される.