2019 年 56 巻 5 号 p. 398-401
小児がん経験者の晩期合併症の中でも高次脳機能障害と精神心理的問題は,生存の質を左右するものである.一方,これらの問題に対応するためには,小児科医だけでは対応が困難であると想定される場合もあり,児童精神科や小児心療科などの医師,公認心理師などと連携を取る必要がある.高次脳機能障害は中枢神経系に影響を及ぼす脳腫瘍や白血病,そしてそれらの治療による副作用として生じやすいため,治療終了後より学習面や行動面などの評価として知能検査などを行いながら評価し,対応していくことが重要である.対応方法には発達障害児への対応が目安になると考えられた.一方,精神心理的問題は小児がんという死を想起させる病気に罹患したというトラウマティックな体験から小児がん経験者や家族には生じやすいものと考える.心的外傷後ストレス障害に対する理解がこのような状況には理解しやすいと考え,適切な時期に心理教育を行い,対処方法を知ることによって長期フォローアップ外来の継続や社会生活への支障を最小限に留めることも可能になると考える.これらは治療中もしくは治療終了後早期より開始することが予防的になる.