日本小児血液・がん学会雑誌
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症例報告
初診時に急性腎不全を来していた後腹膜原発成熟B細胞性リンパ腫の1例
野末 圭祐塩田 光隆中西 祐斗石嶺 里枝木村 美輝渡辺 健嵯峨 謙一遠藤 耕介佐藤 正人秦 大資
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2020 年 57 巻 2 号 p. 162-167

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抄録

1か月前から両側の足底部に間欠的しびれおよび疼痛を認めた11歳女児.両側上肢のしびれや下痢も出現したため受診した.胆汁性嘔吐を認め撮影した腹部単純CTで,後腹膜を主座とする広範な腫瘍と腫瘍による尿管閉塞を認めた.K 8.8 mEq/L,Cre 16.8 mg/dLと急性腎不全を認め緊急に血液透析,翌日に両側尿管ステント留置術を行い腎機能は急速に改善した.画像検査でL4からS1の脊柱管へ腫瘍が浸潤しており,後腹膜腫瘍生検結果も含め成熟B細胞性リンパ腫(stage IV)と診断した.JPLSG B-NHL-14プロトコールを用いて治療を開始し1週間で神経症状は消失した.現在治療終了後12か月で寛解を維持し,左腎機能低下は持続するものの血清Creは正常を維持している.発症時より急性腎不全を呈する後腹膜・腎原発の小児悪性リンパ腫・白血病の報告では,急性期を乗り越えると腎機能が改善するものが多く疾患予後も良好となっており,迅速な初期対応が重要と考えられた.

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© 2020 日本小児血液・がん学会
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