日本小児血液・がん学会雑誌
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シンポジウム6(二学会合同): 小児がんに対する放射線治療のメディカルスタッフの役割―最適な放射線治療チーム構築に向けて
小児がんに対する放射線治療のメディカルスタッフの役割―最適な放射線治療チーム構築に向けて
副島 俊典鈴木 毅越智 悠介青柳 崇伊藤 麻衣野崎 美和子
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2020 年 57 巻 3 号 p. 235-239

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抄録

放射線治療はがん治療の中で重要な治療法であるが,その点は小児がんの治療においても同様である.しかし,放射線治療の患者数は増加傾向にあり,さらに放射線治療が高精度化するに従って,多くの時間がかかるようになっている.この状況下で小児がんに対する治療に十分時間をかけて治療することはかなり難しい状況になってきている.また,小児がんに対する治療をどのようにするか,その中でどのようなメディカルスタッフとタイアップし,どのような最適な放射線治療チームを構築していくかは重要な課題である.今回は麻酔科医,診療放射線技師,看護師,チャイルドライフスペシャリストにそれぞれの立場から講演いただき,上記の問題の対処法などを議論した.小児・AYAがんの治療とケアは,放射線治療チーム内で完結するものではなく,患者さんの状況に応じて,複数の科,複数の職種にまたがる包括的なチーム医療の提供が必要となる.多職種医療チームがone teamとして共通の目標に向けて専門的知識を結集して最良の治療やケアを提供することが求められることが確認された.

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© 2020 日本小児血液・がん学会
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