2020 年 57 巻 5 号 p. 390-393
症例は14歳女児.頭痛を主訴に受診し,血液検査で好酸球数269×103/μLと著明な好酸球増加を認めた.FISH法でFIPIL1-PDGFRα,FDGFRβ,FGFR1はいずれも陰性であり,T細胞レセプターの再構成も認めなかった.好酸球増多症候群(以下Hypereosinophilic syndrome, HES)と診断しprednisoloneを開始したが効果なく,ヒドロキシウレア(以下Hydroxyurea, HU)を併用した.HU開始後,徐々に好酸球数の減少が得られたため,治療開始後2か月からHUを漸減し4か月で中止した.現在中止後1年間,再燃なく経過している.本症例ではHUが著効し,重篤な臓器障害なく経過した.しかし,HU減量,中止についてのガイドラインは存在せず,今後も注意深い観察と症例の蓄積が必要であると考えられる.