日本小児血液・がん学会雑誌
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How I Treat 4
再発/難治性横紋筋肉腫
小川 淳
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2021 年 58 巻 3 号 p. 248-252

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抄録

横紋筋肉腫の治療成績は改善したが限局性横紋筋肉腫の約3分の1,転移性横紋筋肉腫の3分の2以上が再発する.また一般的に再発横紋筋肉腫の予後は不良であり標準的な治療は確立されていない.再発後の治療方針の決定に際してはリスク因子を念頭に置いて評価を実施することが重要である.初発時のstage及びgroup(原発部位,領域リンパ節転移,腫瘍径,遠隔転移),治療歴の詳細(化学療法内容,手術の有無とその根治性,放射線照射{照射部位,線量}),また再発時期(治療中,治療開始後18ヶ月以内,18ヶ月以上)の確認を行う.また再発様式(局所再発,領域再発,転移{播種性}再発)の正確な評価が非常に重要であり複数の画像検査を実施する.また生検は画像にて非典型的な所見がある場合,二次がんが考慮される場合などでは積極的に実施する.局所再発,転移性再発に関わらず再発病変が限局している場合は,長期生存を目指して局所療法の実施に関して積極的かつ多面的なアプローチを行う.一方播種性再発や複数回再発で長期生存を得ることは極めてまれである.通常は化学療法が実施されるが,がん遺伝子パネル検査の実施や早期相試験への参加も考慮する.またQOLの改善を目的とした低侵襲の治療や緩和的治療など様々なアプローチの考慮が必要である.

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© 2021 日本小児血液・がん学会
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