2021 年 58 巻 3 号 p. 296-300
症例は10歳の女児.6ヵ月前より誘因なく腰部と右下肢の疼痛と倦怠感が出現し,徐々に増悪し歩行困難となったため,当院紹介受診となった.レントゲン検査で右腸骨に骨膜反応を伴う浸潤性骨破壊像を認めた.MRI検査では右腸骨より後腹膜腔や殿筋内,仙骨へ浸潤する巨大腫瘤を認めた.組織生検でEwing肉腫ファミリー腫瘍と診断された.浸潤範囲が広く十分な切除縁を確保した腫瘍切除は困難と判断し,ビンクリスチン,ピラルビシン,シクロホスファミド,エトポシド,イホスファミドによる化学療法を5コース実施した後,メルファラン,エトポシド,カルボプラチンによる大量化学療法と自家末梢血幹細胞移植,放射線療法を行い,寛解が得られた.晩期合併症として内分泌障害や成長障害が認められたが,治療終了して7年後も再発なく経過している.外科的切除が難しいEwing肉腫に対して,大量化学療法は有効な選択肢である可能性がある.