WHO2021が発表され上衣腫分類は細分化された.小児頭蓋内上衣腫は本邦で年間発生60例程度と推測される稀少疾患である.この稀少疾患に対してWHO2021に則って治療方針を確立していくのは容易ではない.過去公表された査読性のあるガイドラインはEuropean Association of Neuro-Oncology(EANO)から2018年に発表されたもの一つだけである.このガイドライン一番の特徴は,生後12ヶ月以上で放射線治療を開始することにより治療成績向上を目指すことを強く推奨した点であろう.本邦からは2021年9月に日本脳腫瘍学会ホームページ上に小児AYA世代上衣腫ガイドラインが公表された.3歳未満の放射線治療に対してはエビデンスが足りないと判断し,強く推奨することは控えている.現在多施設共同での大規模前向き第2,3相試験は,国際的に2つ進行中である.ともに化学療法の有効性を明確にしようとしている.今後上衣腫に対して,1)全摘出後のさらなる治療成績向上,2)化学療法の有用性の検証,3)照射開始閾値の決定,4)分子生物学的分類による治療方法選択,といった問題を解決する必要があると考えられる.