日本小児血液・がん学会雑誌
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総説
小児がん患者における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
石田 也寸志
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2022 年 59 巻 2 号 p. 151-162

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抄録

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)において小児の割合は少なく,成人と比べ軽症とされているが,小児がん患者の実態はまだ不明である.本総説では,海外のメタ解析を中心に成人がんと小児がんの情報をまとめた.成人がん患者COVID-19の死亡割合は全がんで14~28%,血液腫瘍では34%と報告され,高齢者,男性,併存疾患が重症化リスクとされている.特に骨髄抑制のある状況では死亡割合が50%を超える報告もあり院内感染には注意が必要である.一方小児がん患者では成人がん患者に比べると生命予後は良いが,先進国でも治療延期がよくみられており,一定割合の重症例がICU入室を余儀なくされ,0~3%の死亡割合が報告されており,小児でも骨髄抑制を伴う強力な治療下では致死的になり得る.がん患者に対するCOVID-19ワクチンは成人では広く行われているが,一般集団と比べ抗体陽性化比が固形腫瘍0.95に対して血液腫瘍0.62と低い.小児・若年がんのデータは少ないが,今後日本でも積極的なワクチン接種の対象候補となることが想定される.小児がん経験者では,COVID-19に関連する健康不安が強くなり,身体的晩期合併症を有する場合にはその傾向が強いため,遠隔診療などを応用することが望まれる.現時点で小児がんに対する診療ガイドラインは,専門家のコンセンサスによる提言がほとんどである.

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© 2022 日本小児血液・がん学会
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