日本小児血液・がん学会雑誌
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高得点セッション3:血液・免疫
臍帯血移植を行った重症複合免疫不全症を伴うCHARGE症候群
緒方 瑛人川口 晃司丹後 結衣福井 渉安積 昌平高地 貴行小倉 妙美児玉 洋平中野 玲二堀越 泰雄金兼 弘和渡邉 健一郎
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2024 年 61 巻 1 号 p. 12-16

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抄録

多発奇形症候群であるCHARGE症候群はときに免疫不全症を発症することがある.今回,重症複合免疫不全症を合併したCHARGE症候群の男児に臍帯血移植を行ったので報告する.患者は胎児発育不全にて当院紹介となり,妊娠37週に出生した.多発奇形を認め,CHD7を含む領域の欠損からCHARGE症候群と診断された.生後1か月から難治性の中耳炎と肺炎を繰り返し,リンパ球サブセット解析で重症複合免疫不全(T-B+NK+)と診断した.免疫グロブリン補充,予防的抗菌薬および抗真菌薬投与を開始し,生後6か月時に前処置なしでHLA 7/8アリル一致臍帯血移植をNICUで行った.GVHD予防は短期メトトレキサートとタクロリムスを用いた.移植後T細胞数の増加を認め,フローサイトメトリーでCD45RA陰性のナイーブT細胞の出現を認めた.グレード2の皮膚急性GVHDを認めたが,2 mg/kgのプレドニン投与で速やかに消失し,移植後2か月でステロイド投与終了,以降のGVHDの再燃を認めなかった.SCIDを合併したCHARGE症候群に対する根治的治療は胸腺移植であるが日本を含む多くの国で行うことができない.代替治療として臍帯血移植を行うことで免疫構築されることが報告されており,有効な治療として期待されている.

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© 2024 日本小児血液・がん学会
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