緩和的放射線治療はがん患者のQOL(Quality of Life)を維持するうえで有効な方法であるが,小児がんでは緩和的放射線治療を提供する機会が成人より少なく,施設ごとの適応の差異が大きいことが知られている.小児がんと成人がんではがんの自然史や治療戦略が異なり,緩和的放射線治療の適応や目標も小児がん特有の部分がある.小児がんの緩和的放射線治療の特性が十分理解されていないことやその特性に基づく治療指針が確立されていないことが,小児がんに対する緩和的放射線治療の提供を妨げている要因と考えられる.緩和的放射線治療を提供する体制,紹介元医師や患者側の理解不足なども小児がんの緩和的放射線治療提供を妨げている要因となっており,これらを解決することが放射線治療を組み入れた小児がん患者の緩和医療の向上に役立つ.