2025 年 62 巻 2 号 p. 135-139
今回は,成人白血病治療共同研究機構(JALSG)で成人急性リンパ性白血病(ALL)の成人型治療から小児型治療への変遷,日本小児がん研究グループ血液腫瘍分科会(JPLSG)との協働臨床研究への経緯,協働研究開始までの過程についてまとめた.成人ALLの成人型治療における5年生存率は30–40%と長年低迷していた.JALSGでは,25歳以上に成人型ALL治療へ大量メトトレキセート療法を組み込み5年生存率(OS)を64%まで上昇させ,25歳未満は小児高リスクALL治療を用いて5年OSが73%となった(ALL202).次に行われたALL213は小児型プロトコールを採用し,フィラデルフィア陰性B細胞ALLでは3年OS 69.3%に,25歳未満T-ALLはJPLSGと協働研究を行うことにより3年OS 93.4%(15–24歳)という成績を得た.このような経緯から,次の臨床研究はJPLSGと一体で協働研究を行う,という方向性がとられ,2017年6月第1回JPLSG-JALSG ALL合同会議が開催された.小児血液医と血液内科医には思考の違いはあるものの,ALLに対してより良い治療をより安全に実施したいという共通目標のもと,プロトコール作成から臨床試験開始へと進んだ.ALL-B19,ALL-T19として始まった臨床試験はともに折り返しを過ぎ試験登録も後半に入っており,順調に推移している.