日本小児血液・がん学会雑誌
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シンポジウム7:小児血栓止血学の基礎と臨床UP-TO-DATE
先天性血栓止血性疾患に対する遺伝子治療・ゲノム編集治療
冨樫 朋貴大森 司
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2026 年 63 巻 1 号 p. 9-14

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抄録

先天性血栓止血性疾患では,凝固・抗凝固バランスの破綻によって出血または血栓症を呈する.血友病をはじめとする出血性疾患では,従来のタンパク質補充療法に代わる根治的治療として,アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いた遺伝子治療が実用化されつつある.血友病に対するAAVベクター遺伝子治療薬はすでに欧米で承認され,単回投与で長期的な止血効果を得られることが示されている.一方,小児では肝臓の成長に伴う遺伝子発現の減弱が課題となり,安定した治療効果の維持は依然として難しい.このような背景のもと,血友病に対して,CRISPR/Casを用いたゲノム編集技術を応用した次世代治療が注目されている.遺伝子ノックアウト・ノックインだけでなく,切らないゲノム編集技術である塩基編集・プライム編集技術の適用が報告されている.さらに,これらの肝臓を標的としたゲノム編集技術は,先天性プロテインC欠損症や尿素回路異常症など,他の疾患にも応用可能であり,種々の疾患に対してゲノム編集による疾患の根治を目指した治療の可能性が示されつつある.

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