2026 年 63 巻 3 号 p. 238-243
小児の膀胱原発パラガングリオーマ(PGL)は極めて稀な疾患であり,診断に難渋することが多い.今回,排尿後の頭痛発作を契機に発見された10歳男児例を経験した.発作時に著明な高血圧を認め,血中および尿中のカテコラミン上昇,123I-MIBGシンチグラフィーで集積を示す膀胱腫瘍を確認した.α1遮断薬による血圧管理後,膀胱部分切除術を施行し,病理診断で中分化型の膀胱PGLと診断した.小児では遺伝性を有する割合が高いが,本症例では既知の遺伝学的異常は認めなかった.術後に症状は消失し,再発なく3年経過している.排尿後頭痛を呈する症例では膀胱原発PGLを鑑別に挙げる必要があり,発作時の血圧測定は診断の契機となりうる.