2026 年 63 巻 3 号 p. 244-248
小児で稀な自己免疫性溶血性貧血(autoimmune hemolytic anemia: AIHA)の2例を経験したので報告する.症例1.1歳6か月男児,上気道炎の2週後に顔色不良,活気不良を主訴に受診,ヘモグロビン3.0 g/dLと著明な貧血を認めた.単特異直接クームス試験でIgG抗体陽性で温式AIHAと診断した.2回の赤血球輸血を要したがステロイドパルス療法で軽快した.症例2.2歳7か月男児,発熱,褐色尿のため受診.ヘモグロビン9.0 g/dL,尿潜血4+で,単特異直接クームス試験で補体陽性でDonath-Landsteiner試験から発作性寒冷ヘモグロビン尿症と診断した.寒冷暴露を避け経過観察で軽快した.2症例ともに末梢血塗抹標本で球状赤血球を認めたが,赤血球抵抗試験は正常でクームス試験陽性からAIHAの診断に至った.小児の溶血性貧血は遺伝性球状赤血球症などの先天性溶血性貧血が多いが,AIHAを鑑別する必要がある.AIHAは3病型に分類されるが,治療が異なるため各病型診断が必要である.