2026 年 63 巻 3 号 p. 249-254
近年,血友病治療は進歩しているが保因者へのケアは十分ではない.保因者の28%は凝固因子活性が40%未満であるが易出血性に気づかない例も多い.今回,7か月男児の血友病A診断時に,出血症状を有する女性親族を4名把握し保因者外来につなげることができた.一般的な家族歴聴取では出血性疾患の家族歴なしの結果であったが,ISTH/SSC Bleeding Assessment Toolを用いて,鉄欠乏性貧血,紫斑,過多月経,産後出血などの具体例を示すことで出血症状を有する女性を把握できた.発端男児の母方伯母は過多月経に対するトラネキサム酸内服で症状が改善した.保因者の適切なケアはQuality of Life向上につながる.血友病診断時は出血症状の具体例を示すことで詳細な家族歴聴取を行い,出血症状を有する保因者を把握し適切な医療ケアにつなぐことが理想的であると考える.