2020 年 11 巻 10 号 p. 1202-1206
DISH胸腰椎損傷に対し,椎体終板を貫通する軌道であるPES手技が有用であるかを調査した.PES軌道のPPSを用いたPES群と,従来の椎弓根スクリュー軌道のPPSを用いたTTS群で手術成績を比較した.Implant failureによる再手術例はPES群では発生がなく,TTS群で1例(8%)で発生した(p=0.57).スクリューが緩んだ症例は,PES群で9例(22%),TTS群で6例(50%)であった(p=0.20).皮質骨を貫くPES法は,スクリューの緩みや引き抜けが少ない傾向で,その高い固定性により骨脆弱の強い高齢者のDISH胸腰椎損傷に対し有用な可能性がある.