Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
症例報告
転倒外傷後に腰椎の硬膜外動静脈瘻を発症した高齢者の1例
本田 英一郎松本 幸一広畑 優折戸 公彦田中 達也
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2020 年 11 巻 12 号 p. 1392-1397

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抄録

外傷を契機とした78歳のlumbar extradural arteriovenous fistulaの1例について報告する.患者は下肢の腰椎麻酔下に手術を施行.この1年後に運動麻痺を伴わない両下肢特に下腿中心の異常な痛みや冷感を訴えた.MRIにては脊椎管硬膜外にmass effectを有するflow voidが両側性にL1~L4にまで広がった.血管撮影にてL1~3の腰動脈より多数のfeederが見られ,venous pouchを形成後,異常に拡大した硬膜外静脈叢にshuntしていた.手術は経静脈的にvenous pouchにcoilで塞栓をはかり,さらにNBCAを追加した結果,80%塞栓に不完全に終わったが,術後1年経過では症状は完全消失し,持続している.

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© 2020 Journal of Spine Research編集委員会
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