2020 年 11 巻 8 号 p. 1056-1060
腰部脊柱管狭窄症に対する内視鏡下手術(MEL:Microendoscopic laminotmy)における開放式ドレーンの効果と安全性を検証した.対象はMELを行った症例176例であり,閉鎖式ドレーン群(閉鎖群:76例),開放式ドレーン群(開放群:100例)の二群である.手術部位感染はなく,急性硬膜外血腫による緊急手術は閉鎖群で1例見られた.翌日ドレーンを抜去したが一椎間当たりの平均術後出血量は,開放群が有意に多かった.MRIでの血腫による硬膜管の圧迫程度は開放群の方が閉鎖群より軽度であった.一方,下肢痛の発生はやや開放群が多かった.本研究では,開放式ドレーンは閉鎖式と同等以上の排液能力,感染耐性があり,MELに対して開放式ドレーンは適していると考えた.