Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
自在曲線定規を用いた腰椎前弯角評価に関する信頼性・妥当性の検討
村本 拓磨宮城島 一史石田 和宏百町 貴彦柳橋 寧安倍 雄一郎
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 13 巻 1 号 p. 29-34

詳細
抄録

はじめに:本研究の目的は,自在曲線定規を用いた腰椎前弯角評価の信頼性・妥当性を検証することである.

対象と方法:対象は,健常成人10例と腰椎椎間板ヘルニア(LDH)患者39例とした.測定は自在曲線定規を用い,腰椎に密着させ方眼紙に曲線をトレースし,腰椎前弯角を算出した.LDH患者は立位X線側面像にて腰椎前弯角を算出した.

結果:検者内信頼性ICC(1.1)は0.92(95%CI:0.79~0.98),検者間信頼性ICC(2.1)は0.66(95%CI:0.32~0.89)であった.LDH患者の自在曲線定規とX線画像の腰椎前弯角では正の相関関係を認めた(r=0.73,p<0.05).自在曲線定規とX線画像での回帰式はX線画像角度=0.828×自在曲線角度+16.351であった.

結語:自在曲線定規を用いた腰椎前弯角評価は日本人においても高い検者内信頼性および妥当性を認めた.自在曲線定規を用いた腰椎前弯角測定は経時的な評価を可能とするとともに,回帰式を用いることでX線画像角度を想定して評価,検討することも可能である.

Fullsize Image
著者関連情報
© 2022 Journal of Spine Research編集委員会
前の記事 次の記事
feedback
Top