2022 年 13 巻 5 号 p. 746-751
はじめに:腰椎分離症は第5腰椎(L5)が好発高位で第4腰椎(L4)分離症は比較的珍しい.
対象と方法:2014年から6年間にL4分離症と診断した41例59ヶ所(偽関節部2ヶ所を除く)を対象とした.保存療法は半硬性コルセット,運動禁止,アスレチックリハビリテーションを全例に導入した.調査項目は年齢,性別,競技種目,片側例/両側例,水平断病期分類,骨癒合の有無,治療期間とした.骨癒合率と各要素との関連をFisher's exact testで評価しp< 0.05を有意差ありとした.
結果:平均年齢は14.5歳,男子31例,女子10例で,競技はサッカーが最多であった.片側例21例,両側例20例で,病期分布は分離前期:初期:進行期=15:30:14であった.保存治療後の全体の骨癒合率は81.4%,平均治療期間は105日で,病期を「分離前期・初期」と「進行期」に分けると,それぞれ89%,57%(p=0.015)と骨癒合率に有意差を認めた.片側例と両側例では骨癒合率は95%,70%(p=0.045)と片側例で有意に良好であった.
結語:L4分離症の保存療法における骨癒合率は良好であった.