Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
椎体形成術後隣接椎体骨折発症例の観察~椎体形成術と隣接椎体骨折の因果解明に向けた分析疫学研究
隈元 真志中原 誠之久壽米木 亮井上 崇文吉田 享司古江 直也土方 保和
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2022 年 13 巻 5 号 p. 740-745

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抄録

はじめに:椎体形成術(VP)においては隣接椎体骨折(AVF)が臨床上の問題となるが,VPとAVFの因果関係についてのコンセンサスは得られていない.今回我々は術後AVF発症例を観察し,VPとAVFの関連を考察した.

対象と方法:民間6病院において2012年4月から2018年6月までに単椎体にVPが施行された連続症例を術後6ヶ月間追跡した.術後1週間・1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月以内のAVF発生割合およびAVF発生までの期間を記述した.続いてKaplan-Meier法を用いてAVFの累積発生を図示した.

結果:基準を満たした406例が研究対象となった.各時点までのAVF発生は術後1週間が29/405例(7.2%),1ヶ月が58/377例(15%),3ヶ月が71/353例(20%),6ヶ月が74/317例(23%)であった.AVF発生までの期間は中央値16日であり,1ヶ月以内の発症が58/74例(78%)であった.累積発生曲線では急峻な立ち上がりが観察された.

結語:VPとAVFの関連を示唆する結果が得られ,術後AVFに関する更なる研究の動機付けとなることが期待される.

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© 2022 Journal of Spine Research編集委員会
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