2022 年 13 巻 7 号 p. 897-902
はじめに:近年の脊椎手術は側方経路腰椎椎体間固定術の発展により進歩が目覚ましい.しかし,OLIF(Oblique Lateral Interbody Fusion)は侵襲が少ない反面,合併症として命に関わる血管損傷が報告されており,手術を安全に行うには血管損傷を回避する事が必要となる.
技術報告:術前に造影CTを用いた3D構築画像で手術のイメージングを行うことで血管損傷を回避する可能性が高くなる.不幸にも血管損傷をした際には適切な対応を行えるかどうかで命を失うかどうかが決まる.そこで,本稿では心臓血管外科医の視点から血管損傷を回避するための術前画像解析,さらに血管損傷をした際にどのように対応するのが最良と考えるか動脈損傷と静脈損傷に分けて報告する.
結語:OLIF手術時に一定数起こりうる血管損傷に対して十分な術前準備と血管損傷時の対処法を知っておくことは患者の生命に直結する重要なことである.