2022 年 13 巻 7 号 p. 903-909
はじめに:En-bloc椎弓形成術用のHAスペーサーを簡便かつ強固に固定するチタンプレートを開発し,その安全性と骨癒合の変化を前向きに検討した.
対象と方法:最初の連続した9例を対象とした.観察期間は3ヶ月~2年,術前JOAスコアーは平均12.3点.術後3,6,12,18,24ヶ月時にCTを撮影し,ガターとスペーサー周囲での骨癒合率を調査した.各レベルで骨癒合が1スライス以上あれば一部癒合とし,全スライスにあれば癒合完成とした.
結果:JOAスコアー改善率は平均68%であり,術後合併症は無かった.25枚のプレートと75本のスクリューが使用されたが,インストルメントフェイリャーも生じなかった.一部癒合率は,ガターで,48,79,94,92,83%,外側塊で,8,16,39,58,50%,椎弓で,8,16,39,42,50%であった.癒合完成率は,ガターで,12,58,94,92,83%,外側塊で,0,0,11,17,33%,椎弓で,0,0,11,17,17%であった.
結語:本プレートは十分な安全性を有した.ガターでの骨癒合は,術後3ヶ月から約半数で始まり12ヶ月には9割以上で完成し,HAスペーサー周囲では,緩徐に進行する傾向を認めた.