Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
Biportalで行ったFull-Endoscopic Trans-Kambin's Triangle Lumbar Interbody Fusionの術後1年の成績
吉水 隆貴渡邊 水樹石井 啓介野坂 潮水野 哲太郎佐々木 寛二
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2022 年 13 巻 8 号 p. 1018-1023

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抄録

目的:当院ではポータルを二つ作成し生理食塩水の灌流下に行う内視鏡手術であるBiportal Endoscopic Spine Surgery(BESS)を行っている.Kambin's safety Triangleからケージ挿入を行うTrans-Kambin Lumbar Interbody Fusion(KLIF)とBESSを併用して完全内視鏡下に腰椎椎体間固定術を行うBE-KLIFを開発した.本術式の術後1年の成績を検討した.

方法:対象は単椎間の腰椎椎体間固定を行った18例である.診断はすべり症13例,不安定性を伴う脊柱管狭窄3例,再発ヘルニア1例,椎間孔狭窄1例であった.術後1年での腰痛,下肢痛,下肢しびれ感,JOAスコアの改善率,骨癒合状況を評価した.

結果:術後1年での改善率は,腰痛56%,下肢痛73%,下肢しびれ感65%,JOAスコア78%であった.CT画像上骨癒合が確認できたのは61%であった.

考察:BE-KLIFは内視鏡下でのケージ挿入に使用したポータルを経皮的椎弓根スクリュー挿入にも共用できるので,約2 cm長の4つの皮膚切開のみで椎体間固定が可能である.上関節突起を除くほとんどの後方要素の温存が望める点でも最小侵襲な腰椎椎体間固定である.また,expandable cageを両側から挿入し間接除圧を確実にすることが良好な術後成績につながっていると考えた.

結語:BE-KLIFは術後成績も良好な新たな完全内視鏡下腰椎椎体間固定術である.

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© 2022 Journal of Spine Research編集委員会
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