2023 年 14 巻 1 号 p. 3-9
はじめに:テリパラチド(TPTD)は投与後早期から強力な骨形成促進作用を発揮するため骨粗鬆症を有する脊椎疾患患者に対する治療薬として応用されつつある.本研究の目的は,腰椎後方椎体間固定術を施行した骨粗鬆症患者におけるTPTDの椎弓根および椎体皮質骨に及ぼす効果を明らかにすることである.
対象と方法:2012年から2017年に当院で腰椎後方椎体間固定術を施行した骨粗鬆症患者34症例を対象とした.テリパラチド(TPTD)を2年間投与した21例(TPTD群)と非投与13例(NTC群)において,術直後,術後1年,術後2年における固定上位隣接椎体の椎弓根・椎体皮質骨面積,椎弓根径の変化をCTにて解析し後方視的に比較検討した.
結果:TPTD群では椎弓根・椎体皮質骨面積がいずれも増加し,術後1年および術後2年で有意に増加していた.椎弓根外径は長径・短径いずれも増加を認めなかった.一方,NTC群ではいずれも経時的な変化を認めなかった.
結語:TPTDは椎弓根および椎体皮質骨に対して骨形成促進作用を示し,皮質骨量を増加させる事が示唆された.